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日本人は木が好き?

今年の7月に共著で『Yチェアの秘密』(誠文堂新光社)という本を上梓しました。Yチェアとは、デンマークの家具デザインの巨匠であるハンス J. ウェグナーが手掛けた木製の名作椅子。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないかと思います。Y字形の背もたれが特徴的です。材はビーチ(ブナ)、オーク(ナラ)などが用いられています。ウェグナーは生涯で数百脚もの椅子をデザインしていますが、その中でも人気が高く、販売数は最も多いといわれています。

 

日本では毎年5000脚以上販売されており、1万脚近くも販売された年もありました。デンマーク以外の国では日本の販売数が目立っています。デンマークの家具関係者は、なぜ日本人はYチェアをそれほどまでに好きなのかと大いなる疑問を抱いているようです。
本の執筆にあたって、日本でのYチェア人気の理由を考えてみました。まず考えられるのが、日本人はおおむね木が好きだということです。古くから木工芸や木造建築の伝統があります。Yチェアは工業製品で枠組みは機械加工されますが、背もたれのY字形のデザイン、アームの曲線などは日本人の感覚に合うのではないでしょうか。さらに、座面はペーパーコードという紙を縒り合わせた素材を編んで仕上げていきます。このような手仕事感覚も日本人好みでしょう。
「木が好き。木を用いたクラフト的なデザインや手仕事に共感する。このような日本人の特性がYチェア好きにつながっている要素が高いのでは…」。ある建築家と話していたところ、彼はこんなことを言っていました。

 

「今の若い人たちも、子どもの頃から木の家で暮らし、木の箸やお椀を使っていることが多いでしょ。でも将来、ライフスタイルが変化して日頃から木と接することが少なくなっていけば、日本人は木が好きだとは言えなくなるかもしれませんよ」
なるほど。元々、木が好きだというDNAを持ち合わせているというのではなく、日頃から木と接してきたから、自然と木が好きになっていく。木育の活動の大切さを改めて感じた会話となりました。

西川栄明

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●『Yチェアの秘密』出版記念トークイベント(札幌)のお知らせ

『Yチェアの秘密』(7月に誠文堂新光社より刊行)共著者の二人が、北欧家具デザインの巨匠ハンス J. ウェグナーが手掛けた名作椅子Yチェアについて、様々な観点から語ります。後半は、坂本茂によるYチェア座編みの実演を行います。

PDF版リーフレット

日時:2016年10月1日(土)14:00〜17:00
講師:坂本茂(木工デザイナー)、西川栄明(編集者)
場所:北海道芸術デザイン専門学校(札幌市北区北24条西8丁目1−12)
参加費:1500円(学生:500円)
定員:50名(要予約)
参加申込方法:事務局(清水)へ、Eメールまたは電話でお申し込みください。
Eメール: hirojetwolf@yahoo.co.jp
TEL: 090−2816−8716
*申込時に、氏名、参加人数、連絡先をお知らせください。