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もう一度「原点」にもどって

津別のミズナラと木のタマゴ

「森づくりから始まる木育」パート2 前へ
 

 

 

津別のミズナラと木のタマゴ

先日の台風23号がくる前日、津別の二本のミズナラに会いに行ってきました。どちらも推定樹齢1200年と言われる大木で、それぞれの地名から「双葉のミズナラ」「最上のミズナラ」と呼ばれています。
双葉のミズナラは小学校の木育授業でこどもたちと一緒に来る機会が多いのですが、最上のミズナラとは30年ぶりの再会です。当時は車で森の中を行けるところまで行った先は笹をこいで歩き、やっとミズナラにたどり着いたのですが、今回は車で木のすぐ近くまで行くことができました。木製の案内看板や柵も設置して多くの人が来られるように整備されています。
ミズナラは午前の明るい日差しの中で、神々しく命を輝かせていました!老木なので枝の落下に注意しながら近づき、木の幹にも触れさせてもらいました。

最上のミズナラ

30年前、それは津別町で木工デザインの仕事をするようになって間もない頃のことです。 私は札幌に生まれ幼い頃からモノ作りが好きで、学生時代にカンナ削りをしたことから木と出会い、木工の世界に入りました。
卒業後、工房を開設して一人で木のおもちゃと生活用品を作りはじめます。当時は女性の木工家が少なかったこともあり、雑誌などで紹介されるようになってからは注文に応じられなくなりました。もともと同じものを多数作るよりも新しい形のものを生み出すことが好きだったので、私はメーカーとしてではなく木工デザインで生きていくことを選びます。
自分のすすむ道が見えた頃から「わたしの森」が欲しくなっていました。津別と出会ったのは、ちょうどその頃です。町では地場産業のひとつとして北海道らしいクラフト製品を全国に発信したいとの思いで木材工芸協同組合を設立し、新しいデザインを求めていました。最初に津別を訪れたのは紅葉の時期です。ゴブラン織りのように美しく豊かな色彩で彩られた森を観て「この森から、生み出したい」と思いました。こうして私のニックネームをブランドにしたKEMの製品づくりがスタートしました。

森の鳥達からの贈りもの
(木のタマゴ)

そうして生まれたのが「森の鳥達からの贈りもの」(木のタマゴ)です。だから10種類の北海道産材のタマゴを手にした時に、ひとつひとつが育った『手の中の森』と出会うこができるのです。タマゴが生まれて30年経った今も、森と私は多くの物語を紡ぎ出し・・・それはこれからも続きます。

双葉のミズナラ

 

KEM工房 煙山泰子
 (木育デザイナー)