ひのきのまな板

北海道の森林づくりに必要な、
  木育マイスターの力

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北海道の森林づくりに必要な、木育マイスターの力

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昨年度に続いて、今年も木育マイスターの育成研修が行われました。第2期37名の研修生は、約30時間の体験型講義と現場でのOJT(実習)を経験しました。北海道の認定を受けたのち、来年春からは第1期生38名とあわせて75名(予定)の木育マイスターが、道内各地でさまざまな木育の活動をすすめて行くことになります。
しかし木育を推進するネットワークの要となる「木育マイスター育成事業」が今年度で終了し、H24年度以降の事業計画に見当たらないことを危惧しています。第1期生の活躍が見えてきた今だからこそ、森林づくり基本計画と同じように、人づくりも5年単位の考え方ですすめるべきではないでしょうか。

これまで木育ファミリーは研修の企画づくりや講師として積極的に協力してきました。それは木育マイスターが幅広い分野での活動をとおして、人と木や森の「つながり」を生みだす人だからです。これからの、道民みんなで支える北海道の森林づくりには、木育マイスターの役割が欠かせないと考えています。

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北海道の林務行政は平成15年3月に策定された10年間の「北海道森林づくり基本計画」に基づいてすすめられてきました。百年先を見据え、地域の特性に応じた森林づくりを長期目標として、5年ごとに見直しが行われています。これにより平成20年3月には、新たに第5『木育の推進』が加えられました。森林づくりに対する道民の理解および参加・協力を進めるため、次のような施策の展開方向が示されています。

○道民運動としての推進
木育は、森林や木材に関わる方々はもとより、一般道民、NPO、企業、行政など、さまざまな方々の協働により、息の長い道民運動として推進します。

○ライフステージに応じた推進
木育は、子どもをはじめとする全ての方々を対象とした取組であり、道民の皆さんの森林や木材に対する認識や関心の度合い、幼児期から高齢期に至るライフステージ等に応じた取組を進めます。

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私は北海道の森林づくりに、平成18年10月から(旧:森林づくり審議会)森林審議会の委員として関わらせていただいている立場から、これまでの木育の取組とこれからの方向性について意見をのべたいと思います。これまでの木育関連施策の主なものをまとめてみました。

H17〜18年度 「木育ランド」の開催(親子で木育遊具にふれ親しむ機会づくり)
H19〜20年度 オホーツク木のプラザ「木育ひろば」、学校での木育推進
H21〜22年度 木育遊具普及システム検討+パッケージシステム作成
          (H21-木育遊具モニタリング調査)
H21〜23年度 木育マイスター育成事業
          (H21-木育プログラム検討+テキスト作成)
H23年度〜   木育活動普及促進事業
          (木育遊具導入施設に木育指導者派遣と資材提供)

これを見て残念に思うことは、ライフステージに応じた広い分野にわたる木育を推進するとしながらも、事業期間が限定的で、対象が木製遊具に偏っていることです。これからは遊具にこだわらない木育の普及支援に取り組むべきでしょう。
また、北海道のめざす『道民との協働による森林づくり』のためには『人づくり』が必要です。植樹から森の手入れ、間伐材の利用や地材地消などの活動に自ら参加する人を地域に育てなければなりません。その「つながり」を生みだすのが木育マイスターの力です。木育のネットワークづくりのためにも、時間をかけた計画的な木育マイスターの人材育成が欠かせません。

KEM工房 主宰/木育ファミリー代表 煙山泰子