子どもが最初に触れる木

大五木材の「適材適所」通信

思い出の木のもの 前へ
 

 

 

子どもが最初に触れる木

 

「ウッドスタート」という取組があります。まだ耳なじみのない言葉かもしれませんが、これは子どもや親、教育関係者を対象にした「初めての木との出会い」をテーマとする取組です。北海道では、木のよさを普及啓発する取組として進められています。例えば、小学校に入る生徒に学童用机の木製天板をプレゼントしたり、以前このHPで紹介した、生まれてきた子どもに町が椅子をプレゼントする「君の椅子プロジェクト」もウッドスタートの一つといえるでしょう。
この取組を語るときに、先進的事例である「ブックスタート」を紹介しないわけにはいきません。ブックスタートは、すべての赤ちゃんを対象に、絵本と「絵本を開く楽しい時間」を提供する取組です。赤ちゃんの生まれた環境に関わらず、一緒に絵本を楽しむきっかけを赤ちゃんと保護者に届け、地域みんなで子育てを応援する仕組みを作っていくことがねらいです。各自治体で、主に健診などのときに絵本の手渡しが行われています。
これらの取組の魅力は、子どもが初めて触れるものに愛情を込めることだと思います。ウッドスタートは、子どもが手にする木の道具や遊具に愛情を込め、子どもの幸せを願う気持ちを親、さらには地域で共有することです。日本では、娘が生まれたら桐の木を植えて、娘が嫁ぐときにその桐で作ったたんすを嫁入り道具として持たせるという文化がありました。子どもと木が一緒に育つ。木を媒介にして愛情が育まれる。これは、子どもをはじめとするすべての人を対象にする木育の理念につながります。

 

木育ファミリーで行っている体験会「myスプーンづくり」でも、子どもを思う声が聞かれました。子どもに与える食べ物はもちろん、スプーンなど口に入る食器類も安心・安全なものであって欲しい。現在のスプーンはたいていプラスチックか金属製のものが多いですが、子どもが最初に口にするスプーンが、親が子どものためを思って作った木のスプーンなら素敵です。
myスプーンづくりも、ウッドスタートなど様々な取組と融合しながら、人の思いを乗せて広がっていってほしいものです。
まだまだ始まったばかりのウッドスタート。興味を持っていただけたら、みなさんもいろんな事例を調べて実践してみてください。


留萌森づくりセンター 根井三貴