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第3回北海道の森づくり交流会の報告

北のグリーンウッドワーク in 穂別の
  報告 その2

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北のグリーンウッドワーク in 穂別の報告 その2

25(日)午前は、「刃物研ぎ講習会」をしました。グリーンウッドワークは電気や機械を使わずに、なんでも人力(じんりき)でやるのが基本。グリーンウッドワークの刃物は、工作用カッターのように使い捨てではないので、手入れも自分でしなければなりません。久津輪さんが岐阜県立森林アカデミーの学生さんに教えているのとおなじ本格的な砥ぎの方法を習いました。

 


 

「銑(せん)」という長い刃物や、こまかい所を削る「南京カンナ」、ろくろで使う「丸ノミ」の仕立てと砥ぎ方です。木育ファミリーらしいのは、平均台を砥石を置くために使ったこと。
かつて小学校だった建物の各所に残る「学校の記憶」を活かしてゆくのも木育の役割です。

 


1時間半ほどの講習後は、午後の体験会で使う材料を採りました。
夏の体験会とおなじ場所ですが、木の葉がすっかり落ちて違う風景になっています。
木育マイスター日月(たちもり)さんの指導の下、他の木の成長を妨げるユグロンという特殊な成分を含んでいるクルミの若い木など、数種類を伐りました。
手にのせているのは、リスの歯痕がついたクルミの実です。

 


 

体験会用の材料を教室に運びこんで、午前の作業を終えました。
昼食時には、講師のお二人から岐阜県発祥の「富有柿」のプレゼントがありました。 美濃では時期になるとたくさん実るので、柿は近所からの「いただきもの」で充分足りるそうです。
同じ日本でも、樹木の植生は本当に違います。

 

午後1時からは、一般参加者も加わって「北のグリーンウッドワーク体験会」のはじまりです。 幼児から年配者まで、30人程が集まりました。
穂別産カラマツ材を使って、みんなで作った「どさんこ削り馬」と「北海道型足踏みろくろ」を披露した後、2教室に分かれてグリーンウッドワークを体験しました。

 

削り馬のグループは、夏の体験会とおなじ「小さな木の家」を作りました。
初めて参加した町民のかたは、生木を刃物で削る新鮮な感触に驚いた様子。
シュル、シュルと削りかすが周りに落ちると、緑っぽい木の香りが漂います。
幼いこどもと大人が一緒に楽しく過ごせるのもグリーンウッドワークの良いところ、みんなが気軽に声をかけあいます!

 


 

こうして出来上がった「北海道産の小さな木の家」。
左手前は、穂別の街路樹として植えられているメタセコイヤです。

 

となりの教室では、足踏みろくろを使って「木の指輪」づくりに初挑戦。
まず、採ってきた枝を手ノコで2センチ位の厚さに輪切りにして、ハンドドリルで穴をあけます。

 


 

この穴に棒を通し、足踏みろくろにセットしてノミで指輪の形に削ります。簡単そうにみえますが、力を入れすぎて割れたり、削り過ぎたり・・・小さなものほど奥が深いようです。
仕上げは木の削りかすで磨くと艶が出ます。焼ペンで模様をつけ、柿渋で着色して、こんな素敵な指輪ができました。

 


 


6台の足踏みろくろを並べて作業すると、寒かった教室も熱気で温かくなりました。おおらかな気風の北海道人らしく、どんどん自由作品に取り組むひともいました。
木育マイスターの竹津さんはホウノキで「杵」を作りました。自作の臼で餅つきをするのだそう。

 

最後は、作品撮影と集合写真。
みなさんから「もっと、やりたい!」「また、やりたい」との声が聞かれました。

 


 

今年からはじまった木育ファミリーの穂別木育拠点づくりの活動。グリーンウッドワークの種が、北海道の大地で芽を出して立派な木になるのにはまだ時間がかかると思います。1年また1年と楽しい時を重ねながら「北のグリーンウッドワーク」が北海道に根を広げ、たくましく育って行くことを願っています。

参加者および関係者のみなさま、ご協力ありがとうございました。
つぎは平成25年夏にむけて、札幌で「木の椅子ワークショップ」と穂別で「ろくろ講座」を企画中です。